2026年3月3日、桃の節句。 私の働く重症心身障がい児デイサービスでは、今年も賑やかなひな祭りを開催しました。
今回の目玉は、スタッフが総力を挙げて(?)制作した「手作り12一重(じゅうにひとえ)」。 「お金をかけず、時間をかけず、でも最高に可愛く!」をモットーに、100均素材を駆使して挑んだ現場の裏側を公開します。
1. コンセプトは「一瞬で変身!すっぽり12一重」
重度の障がいを持つ子供たちにとって、複雑な着付けや長時間のポーズは大きな負担になります。また、スタッフ側も日々のケアに追われる中、一人ひとりに時間をかけて着替えさせるのは至難の業。
そこで私たちが開発(?)したのが、「すっぽりはめるだけ」の衣装です。
- 構造: ポンチョのように上から被る、あるいはバギーに座ったまま前を合わせるだけの超シンプル設計。
- メリット: わずか数秒で変身完了!体位変換が難しい子や、じっとしているのが苦手な子でも、最高の笑顔(または驚き顔)の瞬間を逃さず写真に収めることができます。
2. 100均素材が化ける!「魔法の材料リスト」
見た目の豪華さと、子供への優しさを両立するために選んだ材料がこちらです。
- テーブルクロス: あの独特の光沢感が、写真を通すと本物の絹のような高級感に。
- セロハン: 何枚も重ねることで、12一重特有の美しいグラデーション(襲の色目)を表現。
- 画用紙: お内裏様の冠や笏、お雛様の扇に。
軽量で、汚れてもすぐに拭き取れる。まさに「福祉現場のリアリズム」から生まれた選択です。
3. 【検証】セロハンの「カサカサ音」が引き出した個性の爆発
衣装を身にまとった瞬間、現場では予想外の「感覚反応」が巻き起こりました。実はこれが、今回のイベントで一番興味深かったポイントです。
「カサカサ音」への反応の差
- 泣いちゃった子: 初めて聞くセロハンの不思議な音に、「何これ!?」と不安になって泣き出してしまう子。
- 遊び始めた子: 「この音、面白い!」と、衣装を自らカサカサさせて、音と感触のセッションを楽しむ子。
「綺麗な写真を撮る」こと以上に、こうした「五感を刺激する体験」こそが、療育の現場における真の価値だと改めて実感しました。泣いた子も、笑った子も、それがその子の「今」の精一杯の表現なんですよね。
4. 親御さんからの「ありがとう」が原動力
後日、お内裏様とお雛様に扮した写真をご家族にお渡ししたところ、大変喜んでいただけました。
「家ではなかなかこんな格好はさせられないので嬉しい」「スタッフさんのアイデアに驚きました」という言葉をいただくと、夜な夜なセロハンを重ねた苦労も一瞬で吹き飛びます。
障がいがあっても、季節の行事を全力で楽しむ。そんな当たり前で、でも大切な時間を支えるのが私たちの仕事だと再確認した1日でした。
結論:知恵と工夫で「有用性」は無限大
今回のひな祭りを通して感じたのは、「制限があるからこそ、クリエイティブになれる」ということです。
高級な衣装をレンタルしなくても、100均の材料と少しのアイデア、そして「子供たちを楽しませたい」というスタッフの想いがあれば、12一重の輝きに負けないくらいの笑顔を生み出すことができます。
これからも yuibuzz では、福祉の現場で見つけた「小さな、でも確かなリアル」を発信していきます。


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